AI技術の進展による仕事の変革
ChatGPTのような生成AIツールがいよいよ本格的に普及してきました。今では既に様々な会社がChatGPTを組み込んだサービスを展開しています。(具体的には前回の記事『ChatGPTを活用したビジネスへの応用事例5選』も参考にしてください。)
AIツールが本格的に普及し始めている世の中で、色々な仕事がAIにとって代わる可能性が出てきました。皆さんの中にも、AI技術の進展によって現在の仕事のあり方が変わるかもしれない、という話題になった方もいるのではないでしょうか。あるいは、これまで当たり前だと思っていた仕事のやり方を、すでに変えた方もいるかもしれません。
そのような世の中で、次に必要になるのが「AIを使いこなすスキル」と言われています。具体的には、例えばChatGPTの場合は文章生成AIツールですので、自分が欲しい情報(回答文)を引き出すための効果的な質問ができること、が挙げられます。またその他にも、Midjourneyなどの画像生成AIでは、作成したいイメージ通りの画像を作るための命令文(プロンプト)を出すこと、そういったスキルが次の時代に求められています。
AIツールを使うための”プロンプト”
プロンプト(英訳:prompt)とは
プロンプトという単語には、”促す”といった意味合いがあります。
IT用語としては、
「コンピュータが命令入力を受け付ける状態にあることをディスプレイに表示する記号」
を指します。
要するに、AIツールを動かすための指示のことをプロンプトと表現されています。
プロンプトの重要性について
プロンプトがどういうものなのかは理解できました。
私たちが日常生活において明確に伝えないと相手には伝わらないという経験もあるように、AIツールも同じく『伝え方』が重要です。
AIツールはプロンプトが大事
上記の例で、例えば人間同士のコミュニケーションであれば、言葉のニュアンスだったり育ってきた環境が同じであれば多くの言葉を必要としなくても伝わるときもあるかもしれません。または、指示(プロンプト)が理解できなかった場合は、詳しく確認することもできるでしょう。
ですが、AIツールは「プロンプト」で動きます。すなわち、AIツールをより効果的に利用したい場合にはこのプロンプトを考えることがとても重要になります。
AIに指示を出すプロンプト・エンジニアという職種とは?
こういった時代の流れから、「プロンプト・エンジニア」という職種についても注目されるようになりました。
AIツールを効果的に使いこなすためのプロンプトを作成するスキルを専門的に研究しているのが、「プロンプト・エンジニア」という仕事となります。AIツールを訓練してよりよい回答ができるように促すことや、AIツールへの命令文を作成しその回答をテストして改善すること、を行っています。
プロンプト・エンジニアはどんな人が目指す仕事?
”エンジニア”という表現から、システムエンジニアのような技術者をイメージされると思いますが、プロンプト・エンジニアは必ずしも技術的なスキルのことを指しているわけではないため、開発経験のない人でも目指すことができると言えます。
「プロンプト・エンジニア」は年収4000万円超も可能…必ずしもテック系の学位が必要ではない
海外ではすでにこのプロンプト・エンジニアの仕事で年収4000万以上稼いでいる人もいるほど、とても価値が大きい役割を担っています。
プロンプトエンジニアじゃなくても良いプロンプトを構築できる方法
AI技術が発展していく世の中で、プロンプト・エンジニアのような専門的な仕事としてではなくても「AIを使いこなすスキル」を身に着けるにはどうしたらよいでしょうか。
このような方法が考えられると思います。
『対話的に進めながらChatGPTにプロンプトの書き方を聞く』
こちらについて詳しくみていきましょう。
対話的に進めながらChatGPTにプロンプトの書き方を聞く
ChatGPTに◯◯をしてほしいけど、どういう文章で指示すればいいんだろうと悩むことってありますよね。
そういうときに、1度の質問で求める成果物までたどり着こうとするのではなく、ChatGPTと対話をしながら曖昧な指示から明確な指示へ移行していく、という手法があります。
最初は曖昧な指示であっても、対話を重ねていくことでより明確な目的に辿りつくこと、
それを「ゴールシークプロンプト」と呼んでいます。
AI技術について専門的な知識がなくてもできる手法ですので、対話事例をもとにやってみましょう。
対話実例:大事なのは環境を定義すること
例えば、あなたはお腹が痛い症状に悩んでいるとします。それを解決する薬をChatGPTに聞きたい場合、
通常の会話であれば、
『お腹が痛いのですが、どんな薬がありますか?』
と聞くことが想像できますよね。
しかし、ゴールシークプロンプトでは、環境を定義した上で少しずつ解決に導いていくための聞き方をします。
これをどうやって質問するのか?
あなたは(*A*)です。
私は(*B*)としてあなたに質問をします。
目的は(*****C*****)です。
100文字ごとに改善をしたいため、ステップバイステップであなたの答えを教えてください。
このA,B,Cに当てはまるものを質問したいことに応じて変えていきます。
この定型文を使いまわすことで、様々な状況の質問にも応用することができるかと思います。
例は以下の通りです。
このように質問すると、ステップ1~順番にChatGPTが質問をしてくれます。
それに対して回答をしていくだけで、目的の答えに辿りつくことができました。
まとめ
これからのAI時代を迎える中で、AIツールを使えるスキルは専門家だけではなく、誰しもが持っていて損はないと言えます。
AIツールを使いこなす、というと大げさな表現になるかもしれませんが、AIツールを使って自分が欲しいクリエイティブを生成するために、効果的な指示(プロンプト)を作れるようになることが、これからの時代に私たちに求められるスキルとなっていくと思います。