便利なAIツール『ChatGPT』
2022年11月末、OpenAI社がリリースした『対話に特化した言語モデル』ChatGPTは、ユーザーが対話するためのWebサービスとして利用されています。2022年10月にTwitterを買収したことで有名になったイーロン・マスク氏もこのOpenAIの創業者の一人です。
ChatGPTは、ロボットとの会話ができ、知りたいことを相談すると、人間のように回答をしてくれるサービスです。この技術の登場によって、従来の働き方が劇的に変わると言われ、最近ではニュースでも話題になっています。
例えば、今までGoogleやYahooなどの検索サイトでキーワードを入力し、検索結果に出てきたサイトを1つずつ開いて情報を仕入れていた調べ物が、ChatGPTとの会話で完了することになります。そのため、業務にかかる時間を格段に短縮することが期待されます。
しかしながら、AIツールを使いこなすスキルが今後ますます求められるようになることも予想されます。
こちらの記事では、ChatGPTをより上手に活用するための使い方についてご紹介していきます。
ChatGPTのアカウント作成をまだ行っていない方はこちらの記事も参考にしてください。
ChatGPTの活用例
まずは検索をしてみる
知りたいことを一つ質問して回答が返ってくるという使い方はよく見かけると思います。
ここではそういったいわゆる”一問一答形式”の使い方ではなく、ChatGPTが「まるで人間のように回答をする」といった特性を生かした使い方をご紹介したいと思います。
例えば、DXに関する記事を調べたいとします。
“DXに関する記事を紹介してください”と質問すると、いくつかピックアップした記事とそれぞれの記事の概要をまとめてくれました。
これだけでも、自分で検索をして一つ一つWebサイトを開いて内容を調べていく作業と比べて、圧倒的に効率よく検索ができそうで助かりますね。
なお、今回は記事数については特に指定をしていなかったため、ChatGPTが判断して4つ記事を紹介してくれました。あらかじめ「いくつの記事を紹介してください」とお願いしておくことも有効かと思います。
回答の中の1つの記事を要約する
ChatGPTから紹介された記事のうち、興味のある記事があったので、そのうちの1つを要約してもらいたいとします。
続けての会話で、“1.の記事の内容を要約してください”と質問をします。
そうすると、一番初めの回答の一番上にあったWebサイトの内容を読みやすい文章量で要約してくれました。
ChatGPTで要約された文章を読んで、詳しく読みたいと思ったら自分でそのWebサイトのURLを開いて見に行くことができます。あるいは、DXに関して要約した文章を作る時にも参考にすることができますね。
要約した文章を翻訳したい
続けて上記の回答で要約してもらった文章を英訳したいとします。
“要約した内容を英訳してください”と質問します。
ここから分かることは、要約してもらいたい文章をわざわざ送り直さなくても、「要約した内容を~」という表現だけで会話の流れから内容を汲み取って回答を返していることが分かります。
このように、「前回の会話の内容を踏まえた上での聞き方」が通用するため、まるで人間と会話をしているかのようにやりとりができるところがChatGPTの一番の使いやすさと言えるでしょう。
ちなみにChatGPTは現状、日本語より英語の方が回答のクオリティが高いと言われています。そのため、例えば、日本語の文章に対して英語の文章で回答をしてもらうよりも、日本語⇒英語に訳してから、英語⇒英語で回答してもらう方がより精度の高い回答になるようです。
その場合は、「以下の質問を英訳し、それに対して英語で回答してください。また、その英語の回答を日本語訳してください」
こういった表現で質問をするとより正しい文脈で回答が返ってくる可能性を高められます。
回答ができないケース
ただし、内容によってはChatGPTでは回答をせずにWeb検索を勧められることもあるため、何でも検索ができるわけではなさそうです。
例えば、会社の公式ホームページは回答してもらうことができませんでした。
また、場所情報を持っていないため、会社の所在地なども確認できませんでした。正確なことは公式サイトや問合せをして確認しましょう。
ただし、その場所でお勧めのレストランといった質問には回答をしてくれました。
上記のように5つも候補を挙げてもらえましたが、候補をいくつ挙げてほしいかも伝えると親切ですね。ビジネスだけではなく、趣味に活用すると楽しそうです。
情報が正しくないこともある
ChatGPTはインターネット上の情報を瞬時にかきあつめて文章としてアウトプットする仕組みのため、質問の仕方や使う単語によっては求めている情報とは異なる回答が返ってくることがあるようです。
そのため、下記のように”日本の総理大臣は?”という質問には「加藤勝信です」という回答がされてしまうケースがあります。
ちなみに、”一番新しい日本の首相は誰か”と質問すると、「2021年9月29日に就任した岸田文雄です」と人物は正しく回答がありました。
質問していない就任した日付まで回答してくれているのですが、調べてみると正しくは2021年10月4日でした。
会話履歴は残っている
一度チャットした内容は、削除しない限り残っているのであとで見返すことができます。
そのため、テーマごとにチャットを分ける使い方がおすすめです。
左上の「+New Chat」ボタンからテーマを新しく作成してチャットを始めることができます。
削除したい時は、チャットテーマをクリックすると、ゴミ箱のマークが出てくるので、ゴミ箱マークを押してから✓をクリックで削除ができます。
削除のステップが2段階になっているので誤った削除を防ぐことができる点が安心です。
まとめ
インターネット上にある、ありとあらゆる情報の中には正確ではない情報も含まれています。そのため、業務に利活用するには情報の正確性が求められるものにはまだ向いていないということと、回答をそのまま転用するのではなく、正しいものかどうかを人の目でチェックするという作業は必要であるといえます。
ただし、今は正確な回答ができなかったことも、時間をおいてから試してみると修正されていることもあるようなので、ChatGPTはまだまだ発展途上といえると思います。これからより多くの人が試して使っていく中で集まったデータから分析が行われてより精度の高いアウトプットがなされていく可能性があります。
そうなると、業務の中でもより正確性の高い仕事も任せられるようになるかもしれないですし、今人の手で行っている作業をChatGPTが行い、人間は人間にしかできない仕事に時間を費やすことができるようになっていく世の中に繋がるかもしれません。